Preかつしかまで / はなし「父」

hanashi201004052010.04.19

地図

かつしかしか / さんさく「東金町6丁目江戸川土手」


2010.03.27

地図

かつしかしか #6

manga — タグ: , , , , , , — takahashi @ 1:01 AM

かつしかしか #1

江戸川土手

machi — タグ: , , , , , , — takahashi @ 12:50 AM

京成線江戸川駅でおりて、江戸川土手へ。

「江戸川 →KECS!」

ちなみに映画『男はつらいよ』シリーズでおなじみのまち、葛飾区柴又は、江戸川駅のある江戸川区北小岩より3キロほど上流にあります。
川のむこうは千葉県。東京の東のはじのはじです。

江戸川について、先日図書館で見つけた『論集 江戸川』(「論集 江戸川」編集委員会編著, 崙書房出版, 2006)という本にはこう書いてあります。

江戸川は茨城県五霞町で利根川より分流し、千葉県と埼玉県・東京都の境を南下し東京湾に注ぐ全長役六〇キロメートルの河川である。現在では千葉県、埼玉県、東京都民約七百六十万人の飲み水として、また、都市の中のオープンスペースとして利用されている。
約三百六十年前に関宿から金杉(松伏町)の間が開削されて以来、ほぼ現在の流路を辿るようになったが、それ以前は太日川と呼ばれ、その後利根川、江戸川などと呼ばれるようになる。

(『論集 江戸川』16ページ)

この江戸川の流域一体は、かつて「葛飾郡/かつしかぐん・かつしかのこおり」とよばれていました。おおざっぱにわけると、千葉県北西部は「東葛飾」、埼玉県西部は「北葛飾」、東京の隅田川より東の低地は「南葛飾」。中心は現在の千葉県市川市の国府台(こうのだい)のあたり、つまりこの写真の、川をはさんだむこうがわにありました。標識のしたにうつっている和洋女子大学のあるあたりが国府台です。

映画やマンガの影響もあって、葛飾(区)というまちから、「下町」や「江戸っ子」などのイメージをもたれるひとも多いかもしれませんが(すんでいる人までもが、そういったイメージでとらえている場合もあります)、『男はつらいよ』シリーズの山田洋次監督もいっているように、「生まれも育ちも葛飾柴又」の寅さんが江戸っ子だというのは、うそです(産経ニュース参照 http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/080724/art0807241644000-n2.htm)。柴又はいわゆる下町ではなく、古くからにぎわう門前町です。

ネイティブカツシカンで、あのようなはぎれのよい下町ことばをはなすひとは、おそらくあまりいないとおもいます。もちろん、震災や戦災で本来の下町からうつりすんできたひとや、その家族であればべつでしょう。葛飾区にはそうした拡大した下町としての側面も、もちろんあります。ただ、それだけではないということです。

先に引用した『論集 江戸川』に「江戸川べりのことば考」という文章があり、「だんべいことば」をはじめとする、江戸川流域ではなされていたことばが紹介されています。そのなかで「それにしても江戸川の水で産湯を使ったような柴又の「寅さん」から、「いし(引用者注:「お前」の意味の葛飾方言)」も「だんべい」も聞かれないような気がするのは、仲間の土地っ子としてはいささか淋しい」(同書99ページ)とかかれているように、やはり寅さんのことば/からだは、葛飾という土地とのつながりが、非常にうすいです。

べつに『男はつらいよ』や『こち亀』にケチをつけたいわけではなく(どちらの作品もこどものころから好きでしたし)、そこでえがかれている「下町としての葛飾区」像に、そのまちでそだった人間として、なんともいえない違和感を感じ、内側からこのまちをかたりたいとおもった、というだけです。下町っていわれてるけど、そうでもなくね?てか下町ってなに?と、感じたからです。『こち亀』は、亀有のほとんどなにも、つたえていません。

もちろん、下町としての葛飾区を全否定するつもりはありません。立石(たていし)や堀切(ほりきり)など、ごちゃごちゃしていて、どこかすえたにおいのするような、いまはやりの「昭和っぽい」まちはたしかにあります。それを下町というのかもしれません(わたし自身、下町名物「もんじゃ焼き」の焼き方には一家言あります。土手をつくれるほどに具が山盛りの月島のもんじゃは、ブルジョアもんじゃです。貴族のたべものです)。ただそれは戦後の、都心部から人が移動してからできた、比較的あたらしい町のにおいです。葛飾区はそうした東京下町とのつながりだけでなく、もっとふかくふるく、かつて葛飾とよばれていた地域とのつながりがあるはずです。わたしがこのまちに感じるのは、むしろ後者のほうで、それはもっといなかくさい、下町のようにプラスな価値をあたえられていない、かっこよくはないものです。すんでいる人が、あまりあえてかたろうとはおもわないものです。郊外とよばれているものも、ふくむかもしれません。ひょっとすると、東北までふくむかもしれません。葛飾区は、葛飾は、そういうひろがりをもったイメージでとらえられることができるまちです。中途半端ってことかもしれませんが。

このサイトでは、そとからあたえられたイメージからはなれて、それにつられることなく、このまちのすがたを、ときにはマンガで、ときには文章で、内側からえがいていきたいと思っています。そのスタートとして、江戸川土手から。

追記:写真をとった土手は微妙に江戸川区なんですが、まあ、かつての葛飾一帯を代表する景色ってことで。

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